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(晴斗君、私達は兵士だよ?)
わかってるよ。
(でも私は覚悟しているよ。)
わかってる。
俺に覚悟なんてなかった事は!
俺は隊長に手紙を残して街を出た。
俺には向いてなかったんだ。
家に帰って親父の仕事を継げばいい。
「うっ…。」
悔しい!
山賊が襲って来た時俺は何もできなかった!
なのにレイミは…
一人で倒しやがった!
息一つ乱さず…。
ただ突っ立てた俺の方が息が荒れていた!
なんでだよ…
なんであんなに強いんだよレイミ!
一緒任務に行った。
2人で帰って来た。
なのに!
(レイミ=クリスマスは今日から正式に私の部下として)
チクショウ!
力の差か?!
覚悟の差か?!
両方足りなかったのか?!
期待されてると思ってた…
ただ少し、レイミか先に行っただけだと
アンジェラさんは俺に期待してると思ってた
なのに…
なのに!!
(涼子ちゃんじゃなかったら誰でもよかったのー)
期待なんてされてなかった!!
「うぐっ。チクショウ!」
もういい。
忘れよう。
帰って親父の後を継いで普通に暮らせばいい。
「おや?君は木島 晴斗ではないか。」
声の主は見なくてもわかる。
「雅樹さん。」
「何かあったのかい?」
薔薇を加えた雅樹さんは俺の隣に座ろうとするが
「すいません。俺もう軍止めたんで一人にしてもらえませんか。」
俺の話しなど聞いてないのか雅樹さんは隣に座る。
「ふむ。君は負け犬になったか。」
っ!!
「拳を握りしめた所で反論出来まい?軍を止めて行く者など星の如く恥じる事はない。君もその星屑の一つになっただけだ。」
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