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「力を持ってるあんたに何がわかる!!」
「素晴らしい!この小説にも負け犬は同じ言葉を言ってたよ!」
「ぐっ!!」
雅樹さんに殴りかかった俺は地べたに這いつくばった。
「君は面白いくらい負け犬の行動をとるな。」
人を踏みつけて笑うんじゃねぇよ!
雅樹さんを睨む俺を彼は馬鹿にした様に謝る。
「おっと、失礼。僕は忙しいんだ。麗しのアンジェラの為火炎竜を探さなければ。」
だったら早く行けよ!!
「隊長から君に言伝を預かって来た。」
…隊長から?
「軍を辞めるのなら手続きをしてくれ。だとさ。」
…はは。
何を期待してたんだ俺は…。
「わかりました。手続きの為に一度戻ります。」
体が軽くなった。
雅樹さんが離れたからだ。
「何か期待してしまったかな?」
「…まさか。」
本当にな…。一体何を…
「一つ聞きたい君が泣いてたのは何を思ってかな?」
決まってる…悔しかったからだ。
「負の感情で流した涙は必ず後悔が付きまとうモノだよ…
よき人生の選択を木島 晴斗。」
雅樹さんは手紙を隊長に渡してくれと置いて去っていった。
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