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授業の始まりを告げるベルが鳴る。
レイミは慌てて席に着く。
「隊長。みんな、お休みですか~?」
生徒は涼子とエミルしかいない。
「他の生徒は5名転属し一人は辞めた。」
さすがに驚いたか。
「そうですか。」
あれ?
エミルも涼子も別に驚く事もなく今日は何をするのと聞いてくる。
「驚いたな、何も聞かないのか?」
涼子はにやっと笑った。
「聞いて欲しいんですか?」
何かいつもと違うな…
「いや、いい。」
涼子の瞳からは強い意思を感じる。
エミルからもそれを感じる事が出来る。
昨日会った時はこんな瞳はしてなかった。
…少し楽しくなってきたな。
「授業をはじ…」
「軟弱物があああ!!」
ドアを突き破り生徒が転がって来た。
声の主は山田だろう。
ドアの向こうに上半身裸で立っている。
倒れてるのは…
「木島 晴斗か?」
殴られたのだろう顔が酷く腫れ上がっている。
「弱くてスイマセン!!」
私を見るや土下座して謝る晴斗。
何が起こっている?
「木島 晴斗。何をしている?」
とりあえず頭を上げようかとアンジェラが言うが上げる気はないらしい。
「逃げ出してスイマセン!!もう一度チャンスを下さい。」
ルナが私を見てゆっくり瞳を閉じる。
場を納めろという事か。
「木島 晴斗。席に座れ。」
「ありがとうございます!!」
立ち上がり私に一礼をして山田をみる。
山田は一度頷いてその場を去った。
席に戻る晴斗から雅樹からの手紙を貰った。
「…。」
この手紙を私に読めと?
「アンジェラ、お前にだ。」
「いらないー。」
やはり私が読まないといけないのか。
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