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入口の前には村山がいた。
「お待ちしておりました。宗谷様。早速で申し訳ありませんが…」
村山は陣を描く。ルナが先程使用した移動魔法と同じ青白い光に包まれる。
「わわっ。」
光が消え移動した場所に驚くレイミ。
「来たな。」
爺を筆頭に左右に並べられた椅子に座ってるのは軍人ではなくこの国の大臣達。
私達がここに呼ばれたという事は
「協定が破られたか?」
爺は頷く。
「協定を破棄したのは…」
「その前に轟総大将殿。その女は誰ですかな?」
大臣の一人がレイミを指差す。
初めて見る顔だ…多分。
「確か、宗谷隊長の部下は四人だと聞いてますが…おの女の顔は載ってません。」
レイミは不安げに私を見るが心配いらないと頭を撫でた。
「彼女はレイミ=クリスマス。先日、宗谷隊長の部下になったばかりでお手元の資料には載っておりません。」
爺が説明するが大臣は何か気に入らないのだろう。
いや、何か揚げ足を取りたいのだ。
爺は王から全ての軍事ごとを任せられているがそれを大臣達は気に入らないのだ。
どうにか爺を失脚させたく色々とやっているらしい。
「轟総大将殿。どこの馬の骨ともわからない者を我々の前に連れて来るとは…君、ここから消えたまえ。」
レイミを見て男は言う。
周りの大臣達は男を止めようともしない。
レイミはたまらず私の後ろへ隠れる。
「貴様!ここでは大臣である…」
「うっせえなぁ。」
燐が一瞬で移動し男の首を掴み持ち上げた。
「ガタガタうるせぇな。私の仲間に文句あるのか?」
男は地に足が着かずバタバタと足を動かす。
苦しそうだがそれでも燐に叫ぶ。
「ぎ、ぎさま!私を誰だと思っでいる!」
「死体だろ?」
ゴキッ
鈍い音が響き渡り燐は男を投げ捨てた。
レイミは驚いてるが爺も大臣達も顔色一つかえることはない。
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