破棄

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「宗谷様、どちらに?」 村山は陣を描き移動先を聞いてくる。 「学校へ。」 村山は頷くと青白い光に包まれる。 光が消えると校門の前にいる。 「では私はこれで。」 一礼し村山は光に包まれ消えた。 「隊長。私は何をすればいいですか?」 レイミを除きルナ達は準備の為にこの場にいない。 「燈国の姫に会いに行く。」 「はい。わっ。」 時間が惜しい。 私はレイミを抱きかかえて羽衣の能力を使い空を飛ぶ。 「いいですね。隊長は空を飛べて。」 「そうでもないぞ。」 空を飛ぶのは楽ではない魔力消費がハンパではないしコントロールも難しい。 「そうなんですか?でも、私も欲しいです。」 欲しいと言っても飛行能力のある武具などそうはないが… 街の中心にある王が住む城の隣に目的の場所はある。 各国の使者達の為に造られた宿泊施設。 バルデス国に来た使者達を保護する為に監視する為に厳重な警備がひかれている。 私は門番の前に降りた。 「風雅三番隊隊長、宗谷 純だ。燈国の姫に面会に来た。」 話しは聞いている様ですんなり通れた。 さすがは各国の使者達を迎えるだけあって煌びやかな内装だ。 「あなたが宗谷隊長で?」 二十歳くらいの男がこちらに近づいてくる。 「はじめまして。館長の滝山と申します。お話しは伺っております。こちらへ。」 滝山に連れられ最上階の奥へと連れて行かれる。 何重にもある扉の先に警備の兵に守られた扉がある。 「どうぞ中へ。」 扉の先には姫の使用人だろう、数人の女性がいた。その一人が滝山の前に立つ。 「滝山様。そちらの方達は?」 「彼は風雅三番隊隊長。宗谷 純。彼女は彼の部下です。姫君に会いに来ました。」 レイミはご丁寧に頭を下げるが女性は鼻を鳴らして滝山を睨む。 「滝山様。姫様は天空院 昴様にしかお会いしないと…」 「馬鹿姫に伝えろ。私が来たと。」
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