休戦

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「休戦協定は儂達の予想では1年は持つと判断した」 私が知る限り今まで休戦協定が1年持った事はない。 最短3日てのもあったな。 しかし…。 「それも晶の予想だろ?」 またもや沈黙。 そんな大それた予想を保身しか考えない大臣や貴族達が言うはずがない。 「で次の任務は?」 「次の任務なんじゃが…受けたくなければ受けなくてよいぞ?」 ……は? 「わかるように説明してくれ」 「休戦協定は実は1年前から……晶が計画していてな」 もう諦めて名前を出したか。 「戦争がなくなれば任務も減る。ならばその間に兵士達の質を上げようと新たに軍隊学校を創設した」 「そこの教官はお前達隊長じゃ」 …は? 「私に兵士を辞めて教官になれと言ってるのか?」 爺は首を横に振って否定する。 「隊長は続けてもらう。詳しくはこれを見ろ」 書類を渡された。分厚い書類を一枚捲るにと長ったらしい説明が書かれていた。 今年、中央軍隊学校に入学した兵士の中から著しい成績の者を試験的に風雅直属の学校へと転入させる。 各風雅の隊長は教官となり生徒達に教育、訓練を施す。 後は細やかな注意事項が延々と書かれている。 読み終わった書類をルナに渡した。 「生徒とはいえ兵士じゃ。必要なら任務に連れて行っても構わんぞ」 兵士が欲しければ自分で育てろと言うことか。 「ちなみに他の隊長は皆受ける。勿論、二番隊を除いてな」 「返事はいつまでに?」 「明日までに頼む」 考える時間はないのか。 「了解した」 ルナと共に部屋をでた。
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