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使用人の言葉を遮り女性を睨む。
「…しばし、お待ち下さい。」
使用人は部屋の奥の扉を開き中へ入っていった。
しばらくすると使用人が戻って来て中に案内された。
「相変わらず失礼な男ね。」
部屋の中には着物を着た私と年の変わらない女性がいる。
「…綺麗。」
レイミは慌てて口を手で塞ぐ。
確かに綺麗だ。かぐやに勝るとも劣らないだろうが性格が腐ってる。
「人質の分際でよくそんな口が聞けるな。」
私の言葉にレイミも滝山も驚いて私をみる。
「無礼者!!燈国の椿姫に向かって…」
「次、喋れば殺す。」
使用人はそれが嘘ではないとわかったのか肩を震わせ壁にもたれかかる。
「滝山。使用人は全て隔離しろ。この女には私の部下を付かせる。レイミ、もし気に入らないなら死なない程度に痛みつけて構わない。」
それだけ言うと私は部屋を出た。
「お待ち下さい!宗谷隊長!それでは姫君が燈国へ戻った際に我が国との関係が…」
「その時は燈国を潰せばいい。今、私は機嫌が悪い。死にたいか?」
滝山はそれ以上言わず、私の指示に従い使用人達を移動させた。
「レイミ。一人で不安ならエミル=ガブリエフと片倉 涼子を呼べ。だが間違えても昴を呼ぶな。…この国が崩壊するかもしれんからな。」
レイミは頷くのを見て私は施設を後にした。
ルナ達と別れて一時間が過ぎた。
準備も終わっているだろう。
私は駅まで飛んで行く。
駅前にある噴水の前にルナ達は集まっていた。
「準備はいいか?」
着地した私にルナ達は頷いた。
私を先頭に駅に入る。
「お待ちしてました。」
駅長は挨拶をすると直ぐに私達を駅の地下へと案内する。
軍専用列車。
[ミレニアム]
国境沿い専用列車で通常3日かかる移動を1日で済ましてくれる。
「御武運を!」
私達が乗り込むと駅長は敬礼をして私達を見送った。
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