破棄

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「速いのはいいが景色が変わらねぇのが嫌なんだよなぁ。」 燐はボヤくが仕方ない地下を移動してるのだから景色も何もない。 「ねぇー。レイミは何してるのー?」 レイミを連れて来なかった事についてはアンジェラ達は何も言わない。 今回の様な任務にレイミを連れて行くのはまだ早過ぎる。 レイミも分かっているんだろう。 今の自分では力が足りない事が。 「レイミには燈国の姫の監視をしてもらっている。」 レイミにはキツく言っておいたから間違いは起こらないはず。 「燈国の椿姫、綺麗な人だけど純と仲悪いよねー。」 一国の姫と他国の軍人が仲がいい方がおかしいだろ。 それにアイツを好きにはなれない。 あの馬鹿姫は自分を中心に世界が回ってると思ってる。 同じ姫でもシルフィとはえらい違いだ。 「なぁ、ガロアルジア国てどんな国なんだ?」 私は知らない。 隣国の事ならある程度わかるが 燈国を挟んであるガロアルジア国には行った事もなければ、交戦した事もない。 「大きさはバルデス国と変わりません。 兵も強く、燈国とは何百年と小競り合いが続いてます。 ガロアルジア国には十傑と云われる10人の軍人がいます。 彼らが戦力の要ですね。」 この短時間で調べたのかルナが説明をしてくれた。 十傑か…どこの国にもあるもんだな。 燈国は確か三銃士だったか。 前に一度、親善試合で三銃士の一人とやり合ったがなかなかの強さだった。 親善試合だったからお互い本気ではないがそれでも強さは伝わってきた。 「戦況がわかりません。一度、燈国の国王にお会いしましょう。」 私は頷いた。 戦争はどれだけ相手の情報を得られるかで勝敗が決まる。 昔、そんな事を綱吉が言ってたな。 私はその手の騙し合い化かし合いは苦手だからルナに任せている。 …少し寝るか。 アンジェラと燐はいつの間にか寝ている。 「ルナ、私も寝る。」 腕組みをして壁にもたれかかるとすぐに睡魔に襲われた。
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