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「エミルではないか!どうしてここへ?!」
声を上げて喜ぶ椿。2人は知り合い…なんて仲じゃないよね。
「椿こそ何してるの?」
エミルちゃんは戸惑っているがそれでも椿に笑顔を向ける。
「エミルちゃん、説明してもらえるかな?」
2人が知り合い以上の付き合いがある事は見ていてわかるけど接点がわからない。
椿はエミルちゃんをベッド…だよね?
10人は寝れる大きなベッドに座り私は椅子に座りエミルちゃんの話しを聞いた。
エミルちゃんの父親は貿易会社の社長で母親は燈国の王の遠縁にあたるらしい。
椿の母…王妃は椿を産んですぐに亡くなりエミルちゃんの母親が椿のお世話をしてたそうだ。
椿の願いもあり王はエミルちゃんの家族を年に数回招待する。
椿には友人と言える者はいなくエミルちゃんだけが唯一心を開ける相手らしい。
エミルちゃん凄い家庭で育ったんだね。
「驚いたな。まさかエミルが奴の部下になっていようとは。」
エミルちゃんは笑いながら手を振る。
「部下じゃないよ。私はまだ隊長の教え子なんだ。」
エミルちゃんの言葉に椿は不安な表情をみせた。
「奴に虐められてはおらぬか?奴の性格の悪さ。右に出る者はおらぬからな。」
酷い言われ方だなー。
私の知る隊長は優しい人なんだけど。
「そんな事ないよ。隊長は性格悪いけど悪くないよ。」
エミルちゃん…。
それ褒めてるの?
貶してるの?
どっち?
「エミルちゃん。私は外にいるから2人きりにしていいかな?」
エミルちゃんは笑顔で頷き、椿は不機嫌に当然じゃと言ったので私は椿の部屋を出て使用人の部屋で待機する事にした。
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