破棄

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「隊長。木島 晴斗は戻って来ましたか?」 …もう復活したのか。 しかし、何故雅樹が晴斗の事を知っている? 「いや~。偶然に彼と会いましてね。何だか落ち込んでいましたから。」 そうか、晴斗が戻って来たのは雅樹が何か言ったのか。 「…隊長。彼は弱い。ですがアナタにない強さを彼は持っている。もう少しだけ待ってはもらえませんか?」 …雅樹がアンジェラ以外に興味を持つのは珍しい。 「木島 晴斗は私の生徒だ。他の隊に行きたいのなら止めはしないし残りたいのなら拒みもしない。」 「アナタらしいですね。」 雅樹は少し笑うと私から離れアンジェラの肩に手を置き投げ飛ばされた。 …真面目な話しだったよな。 「なぁ雅樹。なんでアンタここにいるんだ?」 燐の問いに雅樹は今度は真面目に答えた。 「旅の途中にガロアルジア国が燈国に侵略したと聞きましてね。」 ガロアルジア国を殲滅する為に私達が来るのを察知して先回りしたのか。 相変わらず抜け目のない奴だ。 雅樹は昔から大きな任務の時はふらっと現れる。 普段任務も受けずたまに帰って来たと思ったらまたどこかへ行くが… 私が一番信頼を寄せる人物だ。 「純ー。見えたよー。」 バルデス国第28関所 燈国との国境沿いにある関所。 「お待ちして下りました。宗谷隊長。燈国の第7師団長がお待ちです。」 関所の責任者に案内され部屋に入ると甲冑を着た中年の男が座っていた。 「話すのは初めてだな。第7師団長の渡(わたり)だ。」 確か何度か見た事あるな。 「三番隊隊長宗谷 純だ。早速で悪いが国王に面会させてもらえるか?」 渡は頷くと移動魔術の陣を描く。 視界に青白い光が覆う。 光が消えると大きな屋敷の前にいる。 「こっちだ。」 渡の後に続いて中へ入る。 兵士に守られた部屋の前で渡は止まった。 「バルデス国風雅三番隊隊長宗谷 純を連れて参った!!」 「入れ!!」
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