破棄

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駆け寄った兵士を除く全ての者を消し去り兵士に視線を移す。 ガルクの首を抱えた兵士は恐怖と怒りで涙を流していた。 「本国へ帰り王に伝えろ…降伏は認めないと。 …私に殺されるの座して待てとな。」 そう言い残し私は城塞へ戻った。 城門前には三銃士の2人が立っていた。 兵士は全て城塞の中へ引き上げさせた様だ。 「すまん。助かった。」 才蔵は頭を下げて礼をした。 それに続いて若い三銃士も頭を下げる。 「ありが…」 バギッ 私に殴られ数メートル後ろへ飛んだ。 才蔵は理由をわかっているから止めようともしない。 若い三銃士は何故殴られたかわからず怒りの表情をみせる。 「私は北斗の友人だ。」 それだけで理解したのだろう。 顔を逸らして立ち上がる。 「私の前から消えろ。…私の理性が残ってる内にな。」 …闇に呑まれそうな自分を必死に抑え城塞の中へ入って行く。 私を追うように才蔵も城塞へと入って行った。 城塞の中は兵士達の歓喜の声で湧き上がっていた。 今の私に取っては耳障りでしかない。 「静まれ!!次の戦闘へ向け各自休養と警戒にあたれ!!」 才蔵の激に兵士達は各自行動に移る。 私は才蔵に軍議室に連れて行かれた。 軍議室にはルナ達と渡、それと初めて見る顔がいる。 「お初にお目にかかる。私はここの総指揮を任せられている…」 「消えろ。才蔵、ガロアルジア軍と国の情報を教えてくれ。」 見ればわかる。 頭がいいだけの戦場も知らない形だけの指揮官だろう。 兵士達の直接指揮を取っていたのは間違いなく才蔵だ。 「純、私が話しを聞きます。少し休んで下さい。」 ルナは私の苛立ちをみて頭を冷やせと言っている。 「大丈夫だ、私は冷静だ。」 苛立ってはいる。だが、それは抑えられない程ではない。 しかし、ルナは渡に休める部屋に案内する様頼んだ。 「ルナ、心配無用だ。」 ルナは私に抱きついて他の者には聞こえてないように言った。
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