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「…兄を心配しない妹はいません。」
震える声で言われた。
兄と呼ばれるのは久しぶりだな。
「わかった。少し休ませてもらう。」
ルナの頭を撫で渡と共に軍議室を出て行った。
…兄か。
アイツは元気でいるだろうか…
私がいなくなって泣いたりしてないだろうか…
「ここだ。」
渡に案内された部屋はベッドしかない。
渡は軍議室へと戻って行った。
私はベッドに仰向けに倒れこみ目を閉じた。
…もうアイツとは会えないだろう。
…7年か…会った所で私とわからないだろうな…
咲…
- - - - - - - - - -
隊長。元気ですか?
みんなと無事に帰って来て下さいね。
隊長や燐達が燈国へ行ってまだ1日しか経ってませんが…
隊長…私は…
挫折しそうです…。
「レイミ。そなたの料理は珍味じゃな。」
椿は私の作ったカレーライスを口に運んでは大量の水で流し込む。
一体誰が言ったのかカレーは誰が作っても美味しいと…
自分で作ってアレですけど色がおかしいです。
ちゃんと箱の裏側に書いてある通り作ったのに…ぐすっ。
「れ、レイミちゃん!泣かないで!お、美味しいよ?!か、カレーの革命だよ!」
…顔色が悪いよエミルちゃん。
体も震えてるし。
「そうじゃな。もはやこれはカレーライスではない。グレーライスじゃな。」
心が砕けた。
なんでレシピ見て作ったのに灰色なるの?
カレー難しいよ。
今までお店で食べたカレーを心の中で不味いて言ってゴメンナサイ!
トゥルルル♪
携帯が鳴り画面を見ると知らない番号からだった。
「はい。」
「レイミかしら?」
聞き覚えのある女性からだった。
「涼子ちゃん?」
誰かの携帯を借りたのかその声は涼子ちゃんだ。
「天空院隊長の携帯よ。レイミ、シークレット任務って聞いたけどエミルと2人で大丈夫なの?」
…大丈夫じゃないです。
けど涼子ちゃんは天空院隊長の訓練受けていて来れないんじゃ…
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