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「あまり大丈夫じゃないかな。」
電話の向こうから涼子ちゃんが天空院隊長に何か言っているみたいだけど聞き取れない。
「なら行くわ。どこへ向かえばいいかしら?」
涼子ちゃんにここの場所を教えて電話を切った。
…。
やったー!これで料理は涼子ちゃんに作ってもらえる!!
前に涼子ちゃんが作ったお弁当を食べさせてもらった。
アンジェラさん程じゃないけど美味しかった。
当然私が作るよりも美味しい。
私は滝山さんに連絡して涼子ちゃんが訪ねて来たら通して下さいと頼み台所を片付け始めた。
エミルちゃんは椿の相手をしてもらってる。
2人とも昨日からずっと喋り放しで疲れないのだろうか。
夜中に静かになったなと思い部屋を覗くと2人手を繋いで眠っていた。
朝になるとすぐにまた喋り始めて…そんなに話す事があるのかな?
片付けが終わった私は使用人の部屋に合った本を見始める。
[伝説の武具・防具・アイテム集]
その名の通りの内容が書かれた本。
私が探しているのは飛行能力がある物なんだけど意外に少ない。
一つ驚いたのは隊長がくれた銃が載っていた事。
[ペルセウス]
伝説の鍛冶職人が神龍の鱗から造ったと云われている。
どれだけ魔力を込めようとも壊れない隊長の持つ死出の羽衣と同じ最高ランクのレア度。
私は銃を取り出しクルクル回す。
えへへ~。隊長と一緒だ。
「何笑ってるの?」
「ふお!!」
いつの間にか涼子ちゃんが隣にいた。
ノックくらいして入って来てよね!
「ノックしたけど返事ないから勝手に入らせてもらったわ。」
…さいですか。
「純の部下にしては隙だらけだね。」
え?
扉の前には天空院隊長が微笑んで此方を見ている。
なんでここに?
「天空院隊長、何か御用ですか?」
「涼子をわざわざ呼び出すからどんな任務かと思ってね。」
天空院隊長は扉から離れ私に歩みよる。
マズいよね。
隊長に絶対に2人を会わすなって言われてるし。
「天空院隊長。この任務は要人の護衛です。この場から速やかに退室して下さい。」
天空院隊長は歩みを止めない。
「レイミ君、これでも俺は少しだけ…」
「レイミちゃん、どうしたの?」
椿のいる部屋の扉が開きエミルちゃんが顔出した。
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