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「あ~!天空院隊長どうしてここに?!」
…最悪だ。
椿には間違いなく聞こえたよね。
私はエミルちゃんに急いで駆け寄った。
「エミルちゃん。扉に風の魔力で音声遮断して。これは命令だから。」
エミルちゃんの返事を聞かず扉を閉めた 。
天空院隊長は腕を組んで目を細める。
「部外者…いや、俺に会わせたくない人物かい?」
大当たり~!
「その通りです。お引き取り願えませんか?」
天空院隊長は不敵に笑う。
「嫌だと言ったら?」
嫌です!
そんなコントみたいな事は言いませんよ!
私は銃を構えて天空院隊長に照準を合わせる。
「任務の邪魔になるのなら排除します。」
涼子ちゃんは訳がわからず私と天空院隊長を交互に見ている。
天空院隊長は涼子ちゃんを自分の後ろへ下がらせる。
「レイミ君。君が引き金を引く前に俺は君の腕を切り落とせる。」
…でしょうね。
隊長と同じバルデスの7人の英雄[剣帝]なんですから…
私なんて足下にも及ばないでしょう。
銃に魔力を込める。
キィィィィン。
大量の魔力を込められ銃が鳴く。
「…止すんだ。仮に撃てたとしても俺はその程度では死なないよ?それにこんな所で撃てば君は国家に多大な被害を与えた罪人として裁かれる。」
私はニヤリと笑った。
天空院隊長はそれが気に障ったのか眉をピクッと動かす。
「天空院隊長。私の能力知っていますか?」
天空院隊長は明らかに瞳の色を変えた。
気づいたみたいですね。
「死ぬ気かい?」
うーん、死にたくはないですね。
まだ、一杯やりたい事ありますし…
「天空院隊長。私は隊長から任務とは別に頼まれました。アナタとこの扉の奥にいる人物を会わすなと。」
私は更に銃に魔力を込めた。
天空院隊長がはじめて身構える。
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