破棄

24/51

623人が本棚に入れています
本棚に追加
/312ページ
…純。大丈夫かな。 私は純の命令で3つの都市を殲滅しに行く。 雅樹が別れ際に真剣な顔で言った。 「無理しないでくれ。」 それだけならカッコいいのに抱きついてきたから投げ飛ばした。 …無理はしないよ。けど出来るだけ早く終わらせて純と合流したい。 純は強い。 けど、特化型の彼には治療魔法は使えない。 いつもはルナが付いてるけど今回は1人で王都へ向かった。 私の向かう都市は燈国の城塞から一番近い。 全力で走れば5時間程で着くはず。 …遅い。 凡能な兵士なら王都まで5日はかかるけど 純なら王都に着くのに2日かからない。 私が都市を落とし王都に着くのは10日後、全然間に合わない。 右手に着けてある腕輪を見る。金色の腕輪には一つの赤い宝玉が付いている。 宝玉に魔力を込めると私の背丈を越える長さの大鎌が現れる。 地を蹴り空中で大鎌の柄に座り魔力を大鎌に込めると前へと進む。 魔力消費は激しいけど列車より速く移動が出来る。 高度を上げて空高く上昇すると町が見えた。 小さな町…戦争中でも子供達は元気に走り回って笑っている。 純の命令は都市の殲滅…町を消せとは言われてない。 (ん、あれはー?) 町の遥か先に大地に黒い影が移動している。 ガロアルジア軍だ。 私が来た方向へ移動している。 城塞を攻めに行く気かなー?。 携帯電話は使えない。あれはバルデス国内のみ使用出来る。 懐から子猫のアクセサリーを取り出し魔力を込めると猫の目が左右に動く。 「ルナー。聞こえるー?」 猫の口がパクパクと開いた。 (どうしましたか。) 猫を進軍している軍隊に向ける。 (間違いなく城塞へ来るでしょう。構わずアンジェラは都市へ向かって下さい。) 猫は鳴くと目を閉じた。通信を切ったみたいだ。 良くできてるよねーこれ。 ルナの持つ魔道具の一つ。 [気まぐれな子猫達] 私が持つ子猫のアクセサリーが見ている映像を遠く離れた親猫のアクセサリーを持つルナに見せる事が出来る。
/312ページ

最初のコメントを投稿しよう!

623人が本棚に入れています
本棚に追加