破棄

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ルナは[気まぐれな子猫達]を使って私達の状況を把握して必要なら純の変わりに指示をだす。 ルナ… 軍議室で純に抱きついて小さな声で兄と呼んでたけど… ルナと純は14才。 兄妹とは思えない。 …似てないし。 知りたい…けど聞けないよね。 私だって純と2人だけの秘密がある。 ルナとの間にも何かあっても聞いちゃいけない気がする。 表情には出さなかったつもりだけど雅樹がボソッと言った。 「隊長が本当に強くなった時に話してくれるよ。」 雅樹の言葉の意味が分からなかったけど腰に手を伸ばしてきたから伸ばした手首を三回転捻ってあげた。 雅樹は純と一番付き合いが長いらしい。 純の部下になったのはレイミを除けば私が一番遅い。 (みえた。) 先程見えた町とは比べものにならない大きな街。 街の中心に建つ大きな時計台。 才蔵さんから貰った資料に載っていた。 間違いなくこの国の都市だ。 道には沢山の人が行き交いしている。 公園には友達と追いかっけこをしている小さな子供達。 その光景をベンチに座り笑って見ている母親。 (…ごめんね。謝っちゃいけない事はわかってる。) 都市を見渡せる時計台の上に着地してゆっくりと手を上げる。 無数の魔力を何度も重ね陣を描く。 空に都市を覆う程の陣が完成する。 (…ごめんね。ごめんなさい。) 「アレルヤ!」 都市を覆う陣から眩い光が放たれ地上を照らす。 …数十秒後。 光が消える。 時計台から見渡せる景色は何も変わってない。 ただ…動く者はいない。 道を行き交う人も 公園で遊ぶ子供達も それを笑いながら見守る母親も 着ていた衣服だけ残して消えた。 …みんな、私が殺した。 (ごめんね…。) 風が都市を吹き抜ける。 風に乗り私は王都を目指し飛びだった。
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