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「ヒャハハハ!!一旦退かせてもらうぜ!北斗のいねえお前達がどう足掻くか楽しみだぜ!!」
そう言うとガルクは退いていった。
「北斗さん!大丈夫ですよ!すぐに治療術で治ります。」
治療の陣を描く俺の頭をぐしゃぐしゃと撫で北斗さんは言った。
「…ああ、無理無理。助からねぇよ。」
陣は完成し術を北斗さんにかけるが血が止まらない。
「…なんで!なんで庇ったんですか!!」
段々と体が冷たくなる北斗さんはいつもの自信に溢れた笑顔を俺に向けた。
「仲間だからだよ。当たり前だろ?」
俺は泣き崩れた。心が乱れ陣は消えてしまった。
「…北斗。」
才蔵さんは膝を付き北斗さんの手を握りしめた。
「純に伝えてくれ。あとよろってな。」
「もっと遺言らしい事は言えんのか?」
「俺らしくね?」
馬鹿がと言って才蔵さんは笑うと北斗さんの瞳からゆっくりと光が消えていく。
「うわあああああ!!」
…その後の記憶はない。
気づくと俺はベッドの上にいた。
北斗さんは本国に送還されたと才蔵さんに聞いた。
三銃士を…英雄を失った兵士達の士気はどん底まで下がっていたが才蔵さんの激により何とかガロアルジア軍と戦える程には戻った。
それから何度かのガロアルジア軍との戦闘にガルクは出て来なかったが戦況は防戦一方。
先日の戦いでガルクが現れた時はもうダメだと思った。
北斗さんとガルクに実力差があった様に俺とガルクにも大きな差があった。
才蔵さんと2人がかりでも…ガルクにかすり傷一つ付けただけ。
そんなガルクを宗谷は呆気なく倒した。
…何とも言えないモノが込み上げてきた。
北斗さんを倒したガルク。
ガルクを倒した宗谷。
…俺は一体何なんだ?
頭の中がぐちゃぐちゃになった。
そんな時に宗谷に殴られた。
ガルク1人に押されていた俺達を馬鹿にされた様で怒りが込み上げたが北斗さんの友人と言われて何も言えなかった。
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