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5万の兵は矢に魔力を込める。
「お嬢ちゃん!避けられるかしら?!」
マズい!
5万の兵士は矢を彼女に向けて一斉に放った!
彼女は自分の周りに氷の壁を作った。
だがそんなモノで耐えられるはずがない!!
しかし兵士達が放った魔力を込められた矢は彼女の作った氷の壁の前に全て弾かれた。
馬鹿な!
魔力を込めた矢だぞ?!あの程度の壁など容易に破壊出来るはずだ!
「…お嬢ちゃん。何をしたんだい?」
はじめて暢紀が彼女を警戒し身構えた。
しかし、彼女は暢紀の言葉を無視して兵士達を見渡し呟いた。
「邪魔ですね。」
暢紀は自分の言葉を無視された事に怒ったのか彼女に襲いかかる!
が。彼女の魔力が高まり暢紀は動きを止めた。
「ヒィ!」
「な、なんだ?!」
ざわめく兵士達を見ると足下からみるみると凍っていく。
まさか…
特化型なのか?!
これだけの兵士を一瞬で凍らせる事など特化型にしか出来ない…。
「驚いたねぇ…。お嬢ちゃんは特化型かい?」
暢紀は明らかに動揺していた。
彼女との距離をさっきの2倍近くとって警戒している。
「違いますよ。」
そんなはずはない…。
あんな大技を陣も描かずに使えるのは特化型だけだ。
「あははは!お嬢ちゃんは嘘つきだね~!」
「ならこれでいいですか?」
ドドドド!!!
彼女がそう言うと大地が揺れる!
まさか!
大地から無数の岩槍が生まれる。
俺の岩槍など比べ物にならない程の大きさだ!
「なっ?!」
岩槍は数十メートルも伸び暢紀を襲う!!
暢紀は更に高く上昇し岩槍から逃れたが全身に傷を負った。
「…何者だいアンタ。」
その瞳に恐怖を宿らせ暢紀は彼女を見る。
彼女は答えず…右手に氷の剣を造った。
「ムカつく女だね!!その顔、歪めてやるよ!!」
キィィィン!
不快な音が聞こえる。俺の動きを止めたあの技か!
暢紀は腰に差した護身用のナイフを抜き 彼女に突進する!!
彼女は動かない
動けないのだ!
「月島!!」
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