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「ルナ」
私はルナの前に着地する。
「純」
てっきり第一声で「調べ上げるまで帰りません」とか言われると思ったのだが。
「ああ…、なんだ。その、晶の事は何れ話すから帰って来い」
「……」
返事がない。
ルナは黙り込んでまだ何か考えている。
「…純。晶という人物を調べたのですが。ホントにこの様な人物がいるのですか?」
言ってる意味が分からなかったがひとつだけ確信した。
ルナは私に確認する様に話しをした。
「5年前。バルデス王国に単身で挑んだ男。その姿は猫耳に上半身裸で蝶ネクタイ、ピンクの褌に黄色いブーツ」
晶に遊ばれている…。
「スキップをすれば大地は割れ、くしゃみをすれば雷が降り注ぐ。今はこの国の影の支配者として君臨している。…ほんとですか?」
「その情報はどこから手に入れた?」
「軍の機密資料室」
晶め…。もっとマシな情報いれとけよ。
普通なら誰も信じない話しだろう。
しかし、情報を入手した場所が場所だけにルナも半信半疑になっている。
…今頃、この状況をみて笑っているな晶。
「まぁ…。大体当たってる」
当たっているよ。ひとつだけ。
「そうですか」
「…ルナ。もう夕方だ。少し早いが食事に行かないか?私が奢るから」
話しをかえる為ルナを食事に誘う。
「いえ、もう少し調べたいので」
ちっ。 ダメか仕方ない。
「わかった。では私はかぐやを誘って…」
「行きます」
間髪入れず答えるルナ。
上手く話しを変えれたか。
「行くか」
私はルナと共に繁華街へ向かった。
ルナの情報はひとつだけ当たっていた。
この国の影の支配者は間違いなく晶だ。
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