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それどころか両手を広げて私に話す。
「満足するまで好きなだけ斬って下さい。その後に殺してあげますから。」
余裕だな。
闇に呑まれた翡翠はいわば闇その者…。
闇の特化型の私の攻撃など全く通じない…
だが。
私の剣は翡翠の胸を貫いた。
「…満足して頂けましたか?」
私を哀れむように翡翠は見下ろす。
さあ、博打を始めようか。
「闇を喰らえ!クレイモア!!」
魔剣[クレイモア]
この世のあらゆる物を吸い込む事が出来る。
喰らえる物は使用者の精神力によって変わる。
「があああああ!!!」
クレイモアが翡翠の闇を喰らう。
それに比例して私の精神力はクレイモアに喰われる。
「やめろおおお!!!」
闇その者になった翡翠にとっては闇を喰われるのは体を喰われてるのと同じ…かなりの激痛だろう。
翡翠の右腕は肩まで消えていた。
…まだ…その程度か。
精神力には自信があったがこれでは…
「クレイモア!!」
ギィィィィィ!!
歓喜なのか、それとも悲鳴なのか私の言葉にクレイモアは低く鳴くと翡翠の闇をさらに喰らう。
翡翠は両腕と右足が消えている。
「ぐうっ。」
先に限界が来たのは私だった。
クレイモアは未だ翡翠の闇を喰らっているが私は膝をつき片腕で何とか剣を握っているのがやっとの状態。
「うおおおお!!」
ドカッ!!
翡翠に顎を蹴られ剣を放し後方へ吹っ飛んだ。
ダメージはない。
だが立ち上がる事も出来ない。
精神力が尽きた…
魔力の源である気…
気を練り上げる為の精神力が底を尽いた私にはもう翡翠を止める術はない…。
「殺す!!」
消えた両腕と脚は元に戻っている。
倒せなかったか…
だがかなり弱まらせる事は出来た…
後はアンジェラと燐が引き継いでくれるだろう…。
「死ね!!」
翡翠は剣を振り下ろした。
北斗…私は約束を守れない。
だが私達の代わりに私の仲間が守ってくれる。
北斗が昔言ってたな…ああ…そうだ。
終わりよければ全てよし
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