首席とおちこぼれと天才と

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- - - - - - - - - - 時は少し遡る。 私の名前は片倉 涼子。 今年、軍隊学校の試験を受け合格し、一週間前から学校に通う為この国の首都、バルデス城のある城下町に学校が用意してくれた寮に入寮している。 入隊式三日前、私の部屋に学校から通知書が来た。 その内容は今年新設された風雅直轄の軍隊学校への転入を認めると書いてある。 風雅と言えば軍のエリートが集まる部隊。 私は直ぐに学校へ赴き転入の手続きをした。 手続きを終えると今いる部屋を明け渡す様に言われ、新たに部屋を用意された。 そこは城下町の中でも一等地にあたる場所だった。 更に嬉しい事に入学と同時に隊に所属する為少ないが入隊金を貰えた。 一等地の部屋よりこちらのが嬉しかった。 財布には小銭が数枚あるだけ。正直どうやって生活しようか悩んでた。 お金も入り私は風雅に入隊した事を母に知らせる為に街の公衆電話から連絡した。 母は大変喜んでくれた。 少しだがお金が入った事を母に伝えお金を送ると言って電話を切った。 その後すぐ入金を済ませ少し財布に余裕が出来た私は寮の近くの喫茶店に入った。 紅茶を注文しその間店に置いてあるファッション雑誌に目を通す。 買う気なんてないけど見るだけでも楽しい。 「り、涼子ちゃん」 名前を呼ばれ雑誌を見ていた顔を上げる。 そこいたのは見知った少女。 紫の髪は腰まで伸び紫の瞳は少し怯えている。 「…何か用」 私は彼女が嫌いだ。 「い、いや~。奇遇だね!こんなとこで会うなんて!」 「五月蝿い。他のお客さんに迷惑」 彼女の大きな声に何人かの客がこっちを見ている。 「ご、ごめん」
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