首席とおちこぼれと天才と

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謝る彼女から雑誌へと視線を移し彼女に話す。 「用がないなら行ってくれない?私、あなたの事嫌いなの知ってるでしょ?」 そう、私は彼女が嫌いだ。なのに彼女は…… 「あ、あの。涼子ちゃん。座ってもいいかな?」 冗談じゃない。 「……あなた。私の話し聞いてなかったの?」 彼女を睨みつける。 「いや、ほら。他に知り合いいないし!あっ!私がここ払うから…」 バン!! テーブルに雑誌を叩きつけた。 彼女はビクリと体を震わせ瞳を閉じた。 「あなた何様のつもり!?馬鹿にしないで!」 「違う!そんなつもりじゃ…」 「失礼するわ」 店員にお金を支払い私は店を後にした。 ……あの女!どこまで人をコケにしたら気が済むの! 部屋に帰った私は蛇口をおもいっきり捻りコップから溢れる程水を入れ一気に飲み干した。 家なら勿体無くてこんな事しないが寮は全て無料なので遠慮なくやってみた。 せっかくの気分が台無しよ。 紅茶勿体無かったな……。 少し涙目になる。 ……けど、エミルはなんであの場所にいたのかしら。 中央軍隊学校の寮はここからかなり離れているし…… ここは一等地の住宅街。用なんてないはずなのに。 ……彼女も風雅へ入隊? 自分の考えに笑ってしまった。 まさかね。彼女の成績は下の下。 間違えても風雅になんて入れっこない。 私は気分転換に浴室に行く。 彼女が風雅に入隊なんて事があればこの国も終わりよ。 「ん~♪」 鼻歌を歌い私はシャワーを浴びる。
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