首席とおちこぼれと天才と

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やはり気づいてなかった…。 「嘘だ~。だって私と同じ位の年じゃないですか」 宗谷隊長は見た目は確かに私達と変わらない年頃。 「実力さえ伴えば年齢など意味はない。私が隊長に襲名したの9つの時だったかな」 「へえ~。なら私が隊長に勝ったら隊長になれるんですか?」 もう、やめてー!! 誰かあの女の口を閉じて!! 「ああ。私に勝てたらなれるだろうな。それは置いといて、お前の名前は?」 宗谷隊長は気分を害する訳でもなく彼女に質問した。 彼女は立ち上がり宗谷隊長に見下す様に胸を張る。 何その挑発的な態度!隊長とわかってもそんな態度とる普通!? 「エミル=ガフリエフです!年は14!趣味は…」 「名前だけでいい」 「えー。せっかく徹夜で自己紹介考えて来たのに~」 エミルは残念と頬を膨らまして着席した。 そんな暇があるなら勉強しなさいよ落ちこぼれ。 「話しが逸れたな。私が三番隊隊長、宗谷 純だ。聞きたい事が色々あるかも知れんが面倒なので省かせてもらう」 「えー!!聞きたい事あります!質問!質問!」 手を挙げるエミルに宗谷隊長は舌打ちをした。 「今舌打ちしましたね!チッて!」 「聞こえたのなら質問するな」 明らかに不機嫌になる宗谷隊長。 「嫌です!」 「じゃ、エミルちゃんどうぞー」 ドアの前に立つ彼女がエミルを指した。 「えーと。軍隊学校と風雅直轄軍隊学校の違いはなんですか?」 「アンジェラ。お前が答えろよ」 「わかんないー」 「だそうだ。エミル=ガフリエフ」 「エエッ!」 エエッ! 私も驚いた。 他の生徒達もだろう。 入隊に当たり私達は何も知らされてない。 「あ、あの!」 一人の生徒が手を挙げ質問した。 宗谷隊長がイライラしているのがわかる。 「なんだ?」 「その…。僕達は入隊にあたりどの隊に入るかもどんな事を行うかも知らされていません」 「何度も言わせるな。私も知らん」 …………。 宗谷隊長なりの冗談……なのよね? 「私は爺からお前達を好きに使えと言われただけだ。何をするのかなど聞いてない」 …どうやら冗談ではないらしい…。 そうなると私達は一体どうすれば… 「僕達はどうすればいいんですか!!」 質問した生徒が声を荒げて問い詰める。 私達は厳しい試験を合格してここにいる。
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