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「風雅の直轄であるここに入学して来たあなた達は各隊に配属された。
つまり、学生でありながら風雅の一兵卒なの」
水瀬組の生徒達はノートにメモしている。
「あなた達がここで何を学ぶかは各隊長に委任されているから純…。
宗谷隊長の生徒達は彼に聞いてね。
私の隊はまず肉体の基本性能を上げるつもりだからマラソンとか組み手を中心に訓練を行うわ」
ごくり。
これに喜んだのは水瀬組の男子生徒達。
明らかに顔がにやけている。
宗谷組の男子生徒は羨望の眼差しでみている。
「それと私達隊長にはあなた達が風雅でやっていくだけの才能がないと判断した場合、独断であなた達を除隊させる事が出来るわ」
動揺が生徒達に広がる。
「除隊された生徒は中央軍隊学校に転属される事になっているわ」
皆、口には出さないがわかっている。
風雅を除隊、それは軍人としての将来が断たれる事を。
「そう、不安になる事はないわ。宗谷隊長はともかく他の隊長は寛大な方ばかりよ」
水瀬隊長は満面の笑顔を私達に向けた。
……凄く不安ですよ水瀬隊長。
「んー。このくらいかしら」
そう言って宗谷隊長の方を向く水瀬隊長。
「何か言いたい事ある?」
「ああ」
宗谷隊長は一歩前に出る。
「お前達に選択肢をやる」
私達に視線を向ける宗谷隊長。
「一つ、私とともに教室に戻る。
2つ。ここに残りかぐやの隊に入隊する。選べ」
生徒達は驚きざわつく。
「……宗谷隊長。何言ってるのかしら?」
水瀬隊長を無視して宗谷隊長は話す。
「かぐやには悪いが8番隊は凡人の集まりだ」
水瀬隊長の空気が変わる。
部下を貶されたからかその瞳は燃えている…
「随分ないい様ね…」
「だが、事実だ」
パンッ!!
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