首席とおちこぼれと天才と

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「あ、あの…。」 ミルクが声を漏らす。 「どうしたの?ミルク」 ルナは自分の上にミルクを乗せ頭を撫でている。 「私、戻らないと」 「大丈夫、お姉ちゃんとここに居ていい」 何が大丈夫なのか私に教えて欲しい。 バンッ!! ドアが勢いよく開く。そこには2メートルはあろう角刈り頭の大男。 何故かボロボロになった軍服を着ている。 「月島 ルナああ!妹を返さんかい!?」 この男は 山田 剛。 五番隊隊長を務めている。 「山田、ミルクはお前の妹か?」 なんとも似てない兄妹だろうか。 「ミルク?誰じゃいそれは!?妹の名前は花子じゃい!」 「この子はミルクです」 「勝手に名前をかえるな!?花子は死んだ親父が三日三晩考えて付けた名前じゃい!?」 「センスなさ過ぎです」 確かに…。 彼女には余りにも似合わない名前だ。 彼女は二人の言葉が飛び交う度に何か言いたげに二人を交互に見上げている。 「やかましい!さあ、妹を返せ!?」 「嫌です。あんな所いたらミルクが可愛そうです。穢れます」 「穢れるか!?花子は俺の五番隊でこれから一緒にやって行くんじゃ!」 「ミルクは三番隊で預かります」 「あ、あの……」 「花子は黙っとれい!?」 「ミルクは黙ってなさい」 二人に制止され泣きそうなミルクを哀れに思い口を挟む。 「二人とも彼女の話しを聞いてやれ。泣きそうだぞ」 私の言葉に彼女をみる2人。 「……その……おトイレ行きたい」 ……さっきから挙動不審だったのはトイレだったか。 「じゃ、行きましょうか」 連れて行こうとするルナを山田が止める。 「待て!?そう行って花子を連れて逃げる気じゃろう!?俺が連れて行く!」 『変態』 私と一人の生徒を除き声がハモる。 山田は皆に変態扱いされショックを受けた様だその場でうずくまりボソボソと何か言っている。 「お前、名前は?」 私は一人の生徒を指差す。
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