首席とおちこぼれと天才と

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「……片倉 涼子です」 何処となくかぐやと同じ雰囲気を漂わす涼子は何故、指されたのかわからないといった顔をする。 「彼女を連れて行ってやれ」 「……はい」 涼子は彼女と退室する。 先程の二人の口論を興味なさ気に見ていたので問題ないと思い指名したのだが… 帰って来た涼子は何故か彼女を抱いている。 涼子は彼女を抱いたまま席についた。 「……話しが終わるまでこの子は私が預かります」 山田とルナが睨むが涼子はミルクの頭を撫でるのに夢中で気づいてない。 「ルナ、山田を納得させれば彼女を三番隊に置いてもいい」 もう早く終わらせてくれ。 話しが全く進まない。 「山田変態長。ここは一つミルクにどちらがいいか選ばせませんか?」 「いいじゃろう!花子が俺を選ぶのはわかっているからな!てか今、変態長って言わなかったか!?」 「気のせいです。でわミルク、私と山田変態長。どちらと一緒にいたいですか?」 「言ったよね!?絶対、変態長って言ったよね!?」 ルナは山田の抗議はスルーし彼女に向けて話し掛ける。 「ミルクはお姉ちゃんと一緒がいいよね?」 「花子は俺と一緒がいいよな?」 負けじと山田は彼女に声を掛ける。 彼女はどうすればいいかわからずオロオロしている。 「ミルク」 「花子!」 決めれない彼女。 このままでは終わらないと思い、口を挟む事にした。 「山田 花子。今誰と居たい?」 私の方を見る彼女に続けて話す。 「一番はじめに頭に浮かんだ人と居ればいい」 彼女は涼子の胸に顔を潜り込ませ呟く。 「……お姉ちゃん達といたい」 「花子おおおお~!?」 涙と鼻水と涎を撒き散らせ叫ぶ山田。 ……哀れだな。 しかし、ルナは容赦せず、山田に攻撃魔法をぶつけ教室から吹き飛ばすとドアを凍りつかせる。 満足したのか涼子からミルクを取り上げ席に着く。
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