首席とおちこぼれと天才と

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ああ…。かなり脱線したな。 ルナとアンジェラはミルクをおもちゃに遊んでいる。 ミルクも先程とは違い何やら楽しそうにみえる。 「エミル=ガブリエフ。お前の質問に答えるんだったな」 「……ふえ?あっ!は、はい!」 ミルクにみとれていたか。 「えーと。質問です!」 エミルの次の言葉を待つがなかなか言わない。 「……何を質問したらいいんですか?」 「私が知るか」 この短時間で質問を忘れたのならエミルの頭は鳥なのだろう。 「あの、宗谷隊長。いいですか?」 手を挙げたのは涼子。 エミルが質問しないので一人くらい答えてやってもいいか。 「なんだ」 涼子はわざわざ立ち上がり話し始めた。 「私達はどういう基準で各隊に配属されたのですか?」 「わからん」 明らかに涼子は嫌な顔した。 言葉が足りなかったか? 「お前達の配属先は私達隊長にも知らされていなかった。おそらく人事がランダムに決めたのではないか?」 これで納得してくれただろう。 「納得出来ません」 …ええっ。 納得しろよ頼むから。 「私は入隊試験をトップ通過しました!その私が最下位の奴と……私と同じ隊にいるなんて納得出来ません!?」 ……ああ。典型的なプライドの高い兵士だな。 こう言う奴はルナに任せて…… 「純、私は忙しいので一人で対処して下さい」 見るとミルクの髪を三つ編みにしている。 当分、私一人で話さねばならないみたいだ。 「所詮、学校の試験だろ?差ほどレベルが変わるとは思わないが?」 私は軍隊学校に通ってないからよくわからないが。 1位とケツの差など変わりはないはず。 「私とあの女が同レベルって言うんですか!?」 涼子は顔を真っ赤にしエミルを指差す。 エミルは申し訳なさそうに顔を逸らした。
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