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権力を持つと人が変わるというが本当だな。
少し前まで田舎の領主だった男は反旗を翻し国を建ち上げた。
それだけなら別に構わないさ。
欲に駆られた王は私が所属する国に侵略しはじめた。
結果、王の野心は己の国を燃えやす事になった。
街は原型を想像出来ない程、破壊され街の中心に建てられた王の住む城の中には斬り殺された兵士達が転がっている。
(純、そこを右に)
懐から少女の声が聞こえ、指示に従い十字の通路を右に曲がるが、石壁に阻まれ進む事が出来ない。
腰に差した剣を鞘から抜き取り石壁を斬る。
ガラッ
音をたて壁が崩れると数人の男が恐怖に顔を歪ませる。
この国の大臣達だ。その一番奥には身を縮め震えている王の姿が見える。
兵士達が戦っている中、隠れていたのか。
「頼む!!命だけ……」
私の一振りで王を取り巻く男達は鈍い音をたて崩れる落ちる。
血に染まる床に王は躊躇なく跪く。
「宗谷隊長!余とは知らぬ仲では在るまい?!頼む見逃してくれ!」
王の言葉を無視して歩み寄る。
情けない…腰に帯びた剣は何の為にあると思ってるんだ。
適わずとも一太刀浴びせるくらいの度胸はないのか。
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