首席とおちこぼれと天才と

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昼を知らせるチャイムが鳴り訓練を一度中断する。 「では、休憩に入る」 疲れ果てているのか返事が返って来ない。 「ミルク、お姉ちゃん達が美味しいパスタのお店に連れって行ってあげます」 ミルクの返事も待たずにアンジェラと出て行くルナ。 生徒達も教室を出て食堂に向かう。 「隊長~。術を解いて下さ~い」 エミルはもう動けないと倒れ込んでいる。 「片倉 涼子」 エミルの術を解きながら涼子を呼ぶ。 「はい」 「エミル=カブリエフ」 「は~い」 エミルがふらふらと立ち上がり返事をする。 「ついて来い」 「宗谷隊長ここは?」 涼子が周りをキョロキョロ見て話す。 「飯屋だが?」 「そうじゃなくて。ここ凄く高そうですけど……」 私達は今、学校近くのとあるレストランにいる。 「流石、隊長ですね!お昼ご飯がこんな豪華なレストランなんて!私、雑誌で見ましたよここ!」 「初めて来たんだが?」 今日、学校へ向かう途中に見つけた店で通行人が美味いと言っていたから来て見ただけだ。 「私の奢りだ。好きに頼め」 「やったー!」「い、いいんですか?」 手を上げ喜ぶエミル。 涼子は本当にいいのかと戸惑っている。 「エミル=カブリエフ。ここのイチ押しは何だ」 メニューを見ながらエミルは答える。 「んー。雑誌では北で取れた『火竜のヒレ肉』が絶品とか書いてましたよ?」 「なら私はそれを」 「そそ、宗谷隊長!ね、値段が!?」 値段? メニューに目を通す。 火竜のヒレ肉 150000G。 「値段がどうした?」 そう言った私に涼子は口をパクパクさせる。 「宗谷隊長!15万ですよ!?1500Gじゃないんですよ!?」 そんなモノみればわかる。 学校に行ってないからと馬鹿にしてるのか? 「うーん。私は『水竜のムニエル、キャビア添え』にします」 「あなた!遠慮ってモノがないの?!宗谷隊長が頼んだ物より高いじゃないの!」 何故怒られたのかわからず戸惑うエミル。 「さっきから何を怒っているんだ?片倉 涼子、後はお前だけだぞ」
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