首席とおちこぼれと天才と

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『なっ!』 なっ。 爺と山田は声を出し私は声を出さず驚いた。 「かぐや、何を考えている?」 かぐやが私の味方をするなど有り得ない。 「別に……偶にはいいでしょ?」 そう言って私の背後に近づく。 「……純、学校の近くに美味しいレストランがあるらしいの」 レストラン?ああ……今食べた店かな。 「今日、仕事が終わったら一緒に行かない?」 昼も夜も同じ場所で食べるのは乗り気がしないな。 「その店、今行って来たぞ」 「……え?」 後ろから冷たい空気を感じる。 「純、誰と言ったのかしら?」 「生徒数人とだが?」 「……男?女?」 「女生徒2人とだ」 「……総大将、お手伝いします」 かぐやが味方についた総大将は空に吠える。 「戦闘準備!!!」 本気か?とりあえずかぐやだけでも何とか説得して…… 「待て、かぐや。今、私の味か…」 「問答無用!」 振り返った私はかぐやのボディーブローを受け宙に舞う ぐっ!闘気を纏ってない状態でこの破壊力……どれだけ馬鹿力なんだ。 (私を呑み込め、死出の羽衣) 羽衣は風船の様に膨らみ私を守る。 「おんどりゃああ!?」 宙に舞った私を山田が地上へと叩きつける。 羽衣に守られた私にダメージはないが…… ビシッ。 羽衣に亀裂がはいる。 込める魔力が足りなかったか。 「その程度の防御壁など意味などないわ!?」 落下する私を爺の剛拳が襲う! マズい! 爺の攻撃に耐えられない!? 「やり過ぎです」 ドン!? 防御壁が現れ爺の剛拳を止める。 助かった。声の主から防御壁を張ったのはルナか。 「甘いわ!?」 パリン! 防御壁と羽衣を突き破り剛拳が直撃する。 直角に進行方向を変え校舎の壁に深々と突き刺さった。 「よし、帰るぞ!?」 満足したのか三人は校舎の中へ戻って行った。 しばらくして私は教室に戻った。 私のボロボロな姿を見てアンジェラが慌てて治療を施す。 爺と山田の攻撃はまだいい…… しかし、かぐやのボディーブローは無防備な状態だった為、かなりの損傷を受けた。 ルナの膝に座っているミルクは心配そうに見てる。 防御壁を張ったルナは「私はやる事はやりました」とミルクの髪で遊んでいる。 何故こんな目にあったかわからず私は少しイラついていた。 生徒を八番隊へ移動したのは別に構わないはずだ。
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