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ミルクは三番隊にいるが席は五番隊のまま……
絵に関しては三年も前の話しで実際に破ったのは私じゃない。
ケガを心配してか数人の生徒が大丈夫かと聞いてくる。
私は手を軽く降って大丈夫だと合図する。
ポン!
肩を叩かれ振り返るとエミルが満面の笑顔で私に言った。
「隊長って弱いんですね!?」
……。
「ホゲッ!」
午前の時より強めに術をかけられ横にくの字に吹っ飛ぶ。
「エミル=ガブリエフ、少しイラっとしたぞ。反省しろ」
「ごめんなさい!調子に乗りギャッ!?」
顔面から床にダイブするエミルを見て少しだけ気分が晴れた様な気がした。
- - - - - - - - - -
「終わったよー」
「すまんな」
治療も終わり、痛みも消えた私はエミルを見る。
「スリピャギ!スギャッ!アーババス!」
まるで陸に上げられた魚の様に飛び跳ねている。
もう少し、このまま放置しておくのもいいが、生徒達の顔が青ざめ始めたので術を弱める。
「エミル=ガブリエフ。訓練に戻れ」
「……ふぁ~い、チャッ!」
奇声を上げて訓練に戻るエミルだが思い出した様に話す。
「そういえば隊長、総大将に投げ飛ばされた時、宙を浮いてませんでした?」
「ああ」
エミルは顔を輝かせ聞いてくる。
「あれ、どうやったんですか!?」
「このコートの力だ」
「触ってもいいですか?」
別に普通の服と手触りは変わらないのだが。
「構わない」
「おお、これが…何ですかこれ?」
「死出の羽衣だ」
「へぇ、でも見た目、羽衣に見えませんよ?」
それは私が形状変化させてるからな。
「ええ!?」
エミルとルナ、アンジェラを除いた生徒達は壁際まで逃げ出した。
ミルクはルナにしがみついた。
「え?え?みんなどうしたの?」
エミル以外は知っていたか……当然か。
「あ、あ、あなた!まさか死出の羽衣も知らないの!?」
涼子に言われ、エミルは少し考える。
「……知らない」
エミルは今までどんな生活をしていたのか。
「ミルク大丈夫だよ。お姉ちゃんが付いてるから。でも、そのまま抱き付いてていい」
ルナが言わずとも離れ様としないミルク。
「あなた。【手招き法師】の話し知らないの?」
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