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「ねぇ、誰を連れて行く気なのー?」
「一人は決まっている。もう一人……片倉 涼子を連れて行くつもりだ」
涼子が実践でどれほど使えるかみるのも面白そうだ。
「涼子ちゃんじゃなくてもいいんでしょー?だったら他の生徒を連れて行ってー」
それは別に構わないが。
「気に入ったのか?」
「あはは、まっさかー」
手をパタパタと振り否定する。
「気に入らないのよ、あのガキ」
- - - - - - -
結局今日、何したんだっけ……
わかりきっている。何もやってない。
げど、どうしても私は宗谷隊長の訓練に疑問があり参加出来なかった。
……と言うか何故皆、疑問を持たないの?
麻雀
ボール遊び
デッサンetc.
……エミルに至ってはただ部屋をグルグル回るだけ。
何か術を施しての訓練だったらしいけど意味があるとはとても…
「い、いや~なんか久しぶりだね! 二人で下校するなんて! 」
記憶にないわ……
「そんな事あったかしら」
「ほら! 私達が地元の学校通ってた時に何度か! 」
……あれは私の後をあなたが勝手について来ただけでしょ?
「覚えてないわ」
「そ、そっか! あっ! 今日、隊長に連れて行ってもらったお店、美味しかったね!? 」
「そうね」
……美味しかったでしょうとも。私が食べた、カレーライスの百倍の値段の料理を食べたんですからね。
一体どんな味だったのか聞いてみたいわ。オホホ……
ちょうど、あのレストランを通り過ぎる。
レストランの入口には小さなメニュー表が立て掛けてある。
[英雄 宗谷 純。来店記念!火竜のヒレ肉20%オフ!?]
そういえば、帰りに宗谷隊長に承諾を求めていたわね。
雑誌に載る位美味しいなら、こんな宣伝する必要ないんじゃないかしら?
……宗谷隊長、いつもこんな高い店で食べてるのかな。
支払いの時、失礼だけど財布の中身がチラッと見えた(見た)けど目が眩むような金額が入ってたわね。
あれだけあれば私なら三年は生きて行けるわ。
……そう言えば水瀬隊長が三番隊に入れば富はすぐ手に入るっていってたけど。
そんなに任務の報酬て高いのかしら?
残ろうと決めたのも、水瀬隊長のあの一言だった。
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