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「アンジェルの指名だ」
私は涼子を連れて行くと言ったのだが……
(この子きっと、役に立つよー)
「アンジェルさんに見込まれたって事スカ!」
何故か晴斗を連れて行く様に言われた。
「そうかもな」
拳を握り締め喜ぶ晴斗。
アンジェルが推薦する程の何かがあるのだろうか……
「任せて下さい!俺はアンジェルさんの期待に見事応えてみせます!?」
腰に差した剣を取り出す。
一目でわかる武器屋に売られている量産品に小さな宝石が柄に一つはめ込まれているだけのロングソード。
「この剣は親父が風雅への入隊が決まった時に買ってくれたんですよ」
別に聞いてもないのにベラベラと喋る奴だ。
「レイミ、お前の武器は何なんだ?見せてくれよ」
「あ、うん」
レイミが取り出したのは使い込まれた片手で扱える小さな銃。
「へえ、銃か。しっかし、ボロボロだな」
「うん。子供の時から使ってるから。手に馴染んじゃって」
「レイミ=クリスマス、その銃を見せてくれないか?」
レイミは私に銃を渡した。
弾は六発込められる今じゃ武器屋にも置いてない古い型だ。
手に持つと銃に染み付いた魔力を感じる。
レイミ=クリスマス、やはりこいつは…。
「いい武器だな」
そう言って返すと晴斗が私に剣を見せびらかせる。
「隊長!俺の剣も触っていいですよ!」
「いや、いい」
そんなナマクラな剣に興味はない。
「あの、狗猿って確か集団で行動してますよね?」
レイミが話しをかえて任務のターゲットについて聞いてきた。
「ああ」
私は任務の内容をレイミと何故か落ち込んだ晴斗に説明する。
「今回の任務は西の地方にある町からの依頼でな。度々、町を狗猿の群が襲い被害が出ているらしい」
レイミはコクコクと頷き、晴斗はまだ落ち込んでいる。
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