首席とおちこぼれと天才と

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岩肌牛は全身が岩の為、動きが非常に遅い。 ターンで例えると、10ターンに一度攻撃する程度。 頭突きをくり出すモーションも非常にゆっくり。 「ぐほっ!」 毎ターン攻撃している木島君は何故か岩肌牛の頭突きを全てヒットしている。 岩肌牛の頭突きで死ぬ事はないと思うので、木島君が飽きるのを待つ事にした。 時間が経つのは早いよね。 よい子はお家に帰る時刻。 岩肌牛は「もう嫌だコイツ」とこの場を去っていった。 木島君は岩肌牛が去った後、仰向けに大の字で倒れた。 「みたか!?俺の勝ちだ!?」 空に拳を突き出し叫ぶ彼はチラチラと私を見る。 リアクションして欲しいのかな?とりあえず、大げさに喜んでみよう。 「す、凄ーい!カッコよかったよ!?」 ……恥ずかしい。 けど、木島君は満足したらしく。惚れんなよ?とか言っている。 この光景を見て惚れる女性がいるのなら それは鴉だね。 少し休んだ後、森林地帯へ向かい歩き出す。 二時間程歩き、地図で現在地を確認する。 目的地まで後、半分か……。 木島君に今日はここで休もうと提案した。 「レイミ、今日中に二日分移動して明日討伐して帰る。そうすれば、隊長の評価もぐっと上がるってもんよ!」 その笑ってる膝でまだ歩くんですか? 「木島君、ごめんなさい。私ちょっと疲れちゃって……」 そう言うと木島君もここで休む事に賛成してくれた。 助かった。と呟いたのは聞こえなかった事にしよう。 軽く食事を済ますと木島君はすぐ横になり爆睡した。 そんな晴斗君を木に寄りかかり焚き火越しに見る。 ……予想以上に使えない。 あれだけ岩肌牛に頭突きされ、治療もせずに歩けるって事は防御力は高いみたいだけど…… 木島君の攻撃だけじゃ、狗猿を倒す事は出来ないと思う……。 私が上手く倒さずに弱らせて木島君に倒してもらわないと………
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