首席とおちこぼれと天才と

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「凄いよレイミ!またダントツの優勝だね!?」 当然よ。私に勝てる人なんている訳ないじゃない。 「レイミ、君は十年に一人の逸材だ。」 十年?百年の間違えでしょ? 「この村から英雄が誕生するかもな!」 そう何れ私は英雄になるのよ。 「……化け物だ」 違う!私は化け物じゃない!あなた達が弱いだけ! 「レイミ、親戚のおじさんの所がな子供が欲しいと言ってるんだ」 私を捨てるの? 「ひっ!近づかないで!?」 お母さん? 「化け物!!!」 ……夢か…… 嫌な夢……悪い夢程目覚めても鮮明に覚えてるよね。 いつの間に寝たのか……。 もう太陽があんな高い位置にある。 木島君を見るといびきをかいてまだ眠っている。 「木島君、起きて」 何度か肩を揺すると木島君は起きた。 「……おう、おはよう。」 腕を伸ばし欠伸する木島君。ダメージは残ってないみたいだね。 「おはよう。起きてすぐに悪いんだけど行こうか」 私が歩き始めると慌てて後をついてくる。 「レイミ、飯食べないのか?」 歩きながら携帯食料のスティックを食べる木島君。 「うん、ダイエット中なんだ」 ダイエットなんてしてないけどね。 食べる気分じゃないだけ。 「ふーん、別に普通じゃね?ダイエットなんてする必要なんてないだろ?俺、ぽっちゃり系が好きだし」 別に木島君の好きなタイプなんて興味ないよ。 それと女の子の体をマジマジ見ないで。 「女の子は理想の男性にいつでも出会えてもいい様に見えない所で努力しているのよ?」 「男だってそうさ。俺だって隠れて努力してるんだぜ?」 「へぇー、どんな努力?」 「そりゃあ勿論、戦闘訓練よ!」 ……あれで? 木島君そう言う事はもっと強くなってから言わないと…… 「剣の腕もかなり……」 私に襟を掴まれ言葉が途切れる。 「な、なんだよレイミ」 ……木島君は気づいてない。 まだ目標の森林地帯には入ってないのに。 町を襲う為森から出て来たのか…… 「来るよ!木島君!?」 私は木島君の襟を引っ張り後ろへ投げ飛ばすと木島君がいた場所にはぽっかりと穴が開いた。 「お、おい!レイミ、コイツらが狗猿か!?」 猿の体に犬の頭……そんな名前通りの奴ならまだ、可愛気があるんだけどね。
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