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「終わりましたか?」
「ああ」
城を出た私を城門前にいる少女が声をかけて来た。
彼女の名前は月島 ルナ(つきしま るな)私の部下の一人。
銀色に輝く腰まで伸びた綺麗な髪。
感情を面に出さない為、長い付き合いだが未だに何を考えてるかわからない。
「お疲れ様です」
愛想なくルナは労いの言葉をかける。
「休暇に戻る」
久しぶりの休みだ。帰って以前に買った書物を読みたい。
任務が忙しく休みの日でないと読む事が出来ない…このままでは新書だけが増え続けていく。
「休暇は終わりです。次の任務の事で総大将がお話しがあるそうです」
無言で彼女を睨むが私を睨んでも仕方ないでしょと言われ目を逸らす。
話しって一体なんだまた説教じゃないだろうな?
考えても仕方ないか…。やる気を削がれた私はため息混じりに帰るかと呟いた。
「では、本部へ戻ります」
彼女は魔力を集中させると地面に陣が現れる。陣は彼女を中心に半径一メートル程に広がる。
陣の中にいる者を別の場所へ移動させる転送の陣が完成した。
私が陣の範囲内に入ると彼女は術を発動させる。
陣から光が溢れ視界が遮られた。
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