首席とおちこぼれと天才と

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「二匹で掛かってくれば俺を倒せると思ったか!?」 カッコいい! けど明らかに剣が届くより先に狗猿の爪が木島君を貫くだろう。 木島君を襲う二頭の狗猿の脚を撃ち動きを止めた。 「はっ!」 そこへ木島君の剣が二頭を切り裂いた。 「行ける!?今日の俺は絶好調だぜ!!」 狗猿を倒した事にかなりご機嫌な木島君。 この調子でやればバレずに行ける。 そう確信し安堵のため息をした私を風が切り裂いた。 いや私だけじゃない……狗猿達もその身を切り裂かれ空中でバラバラになっている。 「ウォォォォォ!!」 叫ぶ狗猿のボスの周りに風の魔力球が生み出されている。 仲間がいるのに放ったの……? 狗猿達は全て体を切り裂かれ絶命していた。 私は軍服の内側に魔法耐性を高める護符を仕込んでいた為、バラバラにならずにすんだが所々切り裂かれて出血が激しい。 「れ、レイミ……」 ……振り返ると木島君は血みどろで木にもたれ掛かっていた。 「木島君!」 木島君に近付き傷をみる…… 一番離れていたのと狗猿達が盾になり威力が弱まったおかげか、重傷だが治療を施せばまだ助かる状態だ。 「待ってね、すぐに治療するから!」 私は治療の陣を描くがアンジェラさんの様にすぐに完成は出来ない。 「ウォォォォォ!!」 狗猿のボスが吠えると更に無数の風の魔力を生み出した。 まさか…… 狗猿は生み出した風の魔力を一つに収束させ空に放ち陣を描く。 「レイミ……あれは……?」 魔力はこの世界に生み出す時に必ず属性がつく、それ単体は術者の力にもよるが威力は弱い。 生み出した魔力に更に魔力をかけ合わせたものを魔法と呼ぶ。 さっき狗猿が使ったのは魔法だ。 そして、魔法を媒介に神や魔、精霊の力をこの世に顕現するのを魔術と呼ぶ。 狗猿が今使おうとしているのがそれだ。 威力は先ほどの比ではない……
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