焼き肉パーティー

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……なんだ、これは? 「お、おおお帰りなさいませご主人様!!」 ……。 「片倉 涼子、何をしている?」 生徒達は皆、涼子を哀れな目で見ている。 私の後に教室に入って来たレイミは目を丸くしている。 晴斗は何故か喜んでいる。 「ごごご、ご主人様!?おお、飲み物はなににしますか!?」 見ればアンジェラの机にポットが置かれている。 私のいない間に買って来たのか。 「ならコーヒーを頼む」 「かか、かかかしこまります!!」 任務を終えた私達は予定より早く帰って来た。 それをルナに連絡すると 「純、10分程遅れて来て下さい」 と言われて遅れて来たら涼子が何故か飲食店の店員の様な事をしている。 「おおお、お待ちしました!ごちゅ人様!!」 涼子からコーヒーを受け取り一口飲んで改めて聞く。 「片倉 涼子、顔を赤らめて何をしている?」 涼子が更に顔を赤くした。 「隊長知らないんすか?彼女の格好みたら一発でしょ?」 ……確か二日目までは軍服で来てたな。 今日は私服で来ている様だ。 「私服だな」 目に涙を溜めてこちらをキッと睨む涼子。 何故、私を睨む? 「隊長、これはあれですよ。メイドですよ」 メイド? ああ、あれか、かぐやの家にいる家事をする奴か。 「隊長、メイドを見たら言わなきゃいけない言葉があるんすよ」 「なんだ?」 晴斗は咳払いするとその言葉を言った。 「萌え~……」 涼子の拳が晴斗の顔にめり込んだ。 一回転し倒れる晴斗。 「た、隊長」 コートの端を握りしめる晴斗は何故か満足した笑顔を向ける。 鼻血を出しながらの笑顔というのは気色が悪いな。 「わ、悪くない人生だったす」 コートを握った手が離れ床に落ちる。 「木島 晴斗、その程度の打撃で人は死なない」 「ですよね~」 すぐさま立ち上がる晴斗。 ふむ、レイミが言った通り回復が早いな。 「片倉 涼子、恥ずかしいのか?」 首が落ちるんじゃないかと思える程頷いた。 「なら、やらなければいいだろ?」
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