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涼子はその言葉に笑顔を私に向けるとルナを見てキッと睨んだ。
「ちっ」
……ルナとの付き合いは長いが舌打ちをしたのは初めて聞いたな。
涼子はルナの舌打ちを聞くと勢いよく教室を出て行った。
「純、許すのが早いです」
許す?
「何の事だ?」
「純が涼子に「やめろ」と言ったら終わりです」
話が見えないな。
「何が終わりだ?」
「罰ゲームです」
罰ゲームだったのか。
「まあいい、余り苛めるなよ」
ルナは返事をしない。
まだ苛める気か。
「レイミ、木島 晴斗、席に着け」
二人を席につかせ話しを始める。
「私が任務に赴いてる間、変わった事はなかったか?」
レイミと晴斗以外の生徒全員が目逸らした。
「エミル=ガブリエフ」
呼ばれて立ち上がる。
「報告しろ」
隊長の私に報告しろと言われれば断る事も出来ずエミルは話しはじめた。
「えーと、涼子ちゃん以外は訓練を受けていました。涼子ちゃんは……その、遊ばれてました……」
遊ばれていた?ルナにか。
「隊長が任務で不在一日目はずっと黙り込んでいたんですが、二日目はルナさんとアンジェラさんにババ抜きで勝負を持ち掛けられて……負けてテニスウエアで三日目を登校する事になって……その日はリベンジと言ってポーカーで勝負して……体操服で四日目を登校する事に。その日はケーキ食べ放題に行きどれだけ多く食べれるかで負けて今日、メイド服で登校して来ました」
なんだ、私の指示した訓練を受けてるじゃないか。
「ご苦労、エミル=ガブリエフ」
エミルを着席させ今日の訓練を考える。
今日は昼で終わりだったな。
……。
「好きにしろ」
生徒達全員が頭にハテナを着けている。
……わかりずらかったか。
「今日は昼までだ各自好きにやれ。」
しばしの沈黙後、教室は騒がしくなる。
「でよ~!俺の剣が二匹の狗猿を一瞬で倒したんだよ!!」
今は晴斗が任務の結果を生徒達にしている。
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