焼き肉パーティー

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「私がいない間、訓練を行っていた様だな」 涼子に私が与えた訓練は「対話」、コミュニケーション能力を上げる為だ。 涼子は気づいてないが彼女の能力開花には必要な事だ。 「あれが訓練な訳ないでしょ!?」 顔を真っ赤にして何故か怒る。 違うのか? 「あんな格好で学校に来させられて楽しい訳ないでしょ!?」 訓練なんだ、楽しくなくてもいいだろう。 私服で登校するのがそんなに嫌だったのか? 「片倉 涼子、私も私服で来ている」 「あんな私服ある訳ないでしょ!?」 「そうなのか?」 「……はぁぁ」 涼子は大きくため息をして 何かブツブツと言っているが聞こえない。 「もういいです」 どこか疲れた様に席に向かう涼子に紙が張り付く。 その紙を見て、涼子はスタスタと戻って来た。 「たた、宗谷隊長!これ何ですか!?」 その紙はレイミが持ってきた任務の報酬が書かれた紙だった。 「狗猿の報酬金だ」 「見ればわかります!」 なら何故聞く? 涼子は紙の真ん中辺りを指差してさらに声を荒げる。 「この金額ですよ!?」 報酬金としてこの前、涼子達を連れて行ったレストランで私が頼んだメニューと同じ金額が書かれている。 Bランクの任務にしては安い方だ。狗猿は素材としての価値がないからな。 「こんなに貰えるんですか!?」 何故皆、同じ事を聞く。 「そうだ」 涼子は肩を震わせ、泣きそうな顔で話す。 「私も連れて行って下さい!?」 ……連れて行くはずだったんだが。 アンジェラを見ると私を見て苦笑いをしていた。 「今度の任務に連れて行ってあげてー」 この前はムカつくとか言ってなかった? 私がいない間に何があったのか……。
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