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光が消えると見覚えのある景色の前にいる。
如何にも偉そうな人間がここにいると云わんばかりの十階建ての威圧感のある建物。
門前には二人の兵士が警備している。
私達に気付き敬礼をする。
[バリアス国中央軍事局]
デカデカと入り口に書かれた建物に足を運ぶ。
中へ入ると一人の男がこちらに近付いてくる。
「お待ちしておりました。宗谷(そうや)様、月島様」
「久しぶりだな村山」
「お久しぶりです」
ルナは村山に頭を下げる。
この村山という優男は総大将の側近であり執事(?)もしているらしい。
年は20代後半くらいだろうか。背丈は私より少し高い。
髪は長く後ろに流している。
本人曰わくメガネがチャームポイントらしい。
「総大将がお待ちしていますので。案内します」
案内などなくても自分で行けるんだがな。
総大将…爺のいる部屋は最上階10階にある。
村山はエレベーターの前で私達が入るのを待っている。
「ありがとうございます」
愛想なくルナが言うとにこりと笑い最後に村山が乗りボタンを押す。
私は壁に背中を預け 爺が何の話しをするのか考えていた。
「今回は宗谷様にとってもよい話しかと思います」
私の心中を察したのか村山が話す。
「そうか」
それだけ言って私は黙る。
休暇を奪われた私にとっていい話しも何もないと思うが…。
まさか……あの件が通ったか?
エレベーターが止まり扉が開く。
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