焼き肉パーティー

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二時間後、晴斗が私の所へ一枚の紙を持って来た。 話し合いの結果、焼き肉になったらしい。 「夕方18時?」 昼飯から晩飯に変わっていた。 別に私は構わないが。 「どうせなら晩飯を奢って貰おうて事になりました!」 生徒達は昼飯を抜いて腹一杯食べたいとの事。 「わかった」 「よっしゃあ!みんな、腹空かしにグランドを走りまくるぜ!?」 晴斗に続き、ぞろぞろと出て行く生徒達。 ……いや、一人だけ席に座ったままの影が一つ。 「お前は行かないのか?」 ブツブツと何か計算している涼子に話しかけると不気味に笑う。 「ふふ……行きますとも、食べてやりますとも……遠慮なんかしませんからね!?」 ドアを勢いよく閉め、何やら叫びながら走り去る。 教室にはルナとアンジェラ、ミルクと私だけになった。 「お前達はどうする?」 ルナとアンジェラも来るとの事。 ミルクは三番隊でない事に遠慮してか視線を逸らした。 まぁ、聞かなくてもルナに連れられて来るだろう。 「かぐやに聞いて来る」 かぐやには生徒を引き取ってもらい色々迷惑をかけたしな。 来るかわからないが聞いておこう。 かぐやの教室を開けると授業をしていた生徒達が一斉にみる。 その中で顔を背けたのは私の元生徒だろう。 「宗谷隊長、何の為に教室にドアがあるかわかってる?」 「他の空間から隔絶する為か?」 「……何か用?」 不機嫌……ではないがいい顔もしてないかぐやに話す。 「かぐや、今日暇なら晩飯を一緒にどう……」 口を押さえられそのまま廊下の壁に押し付けられた。 「……あな、あなたね。時と場所を考えて言いなさいよ」 小声で話すかぐや、授業を中断した事に怒ったのか……? 「すまない、なら……」 「行くわ」 言葉を遮られ返事が帰ってきた。 「そうか、場所は……」 「駅の噴水前で待ち合わせしましょう」 噴水前か……少し遠回りになるが。 「わかった、なら17時半に落ち合おう」 そう言うと教室に戻るかぐやだがドアの前で止まりこちらを向く。 「……二人きりよね?」 「いや、私の生徒達全員と……」 ドコッ!! ……頭を殴られまた、言葉を遮られた。
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