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「適当に焼いてくれ」
続々と肉が運ばれてくる中、生徒達は待ちきれず我先にと奪い合う。
「酒も肉も足りんわ!肉は一頭丸ごと持って来い!?酒はタルでな!?」
山田、もう酔ったのか?
同席するルナは不快な瞳で見ているがミルクが笑ってるからか何も言わない。
「ん!美味しい!?」
レイミが肉を一口食べて叫ぶ。
「本当ね。かなり高いんでしょうけど。遠慮はしませんよ宗谷隊長」
次々に口に運びながら涼子が言う。
「あなたが生徒を連れて食べに来るなんて信じられないわ」
私の皿に焼けた肉を盛りつけるかぐやは感心した様に話す。
「前に片倉 涼子とエミル=ガブリエフを連れて昼食をとったのがひいきと言われてな」
皿にある肉を口に運ぶ。
確かに美味い、涼子が黙々と食べるのも頷ける。
「……へぇー、あなたがあのレストランで純と一緒にね」
睨むかぐやに目もくれず、涼子は食べ続ける。
「レイミ、これをやる」
私は一丁の銃を手渡した。
渡した銃はレイミが使ってる銃より一回り大きい。
「以前、古物商から買ったモノだ」
レイミは銃に魔力を込めそれを撃ち出す。
今使っている銃では十二分に力を発揮出来ないだろう。
「あ、ありがとうございます!」
この銃ならレイミが使用していた銃より高い魔力に耐えられる。
「私が持っていても意味がないしな」
レイミに聞いた所、あの技は反発する二つの魔力を創り、暴発した魔力を撃ち出すらしい。
属性を一つしか使えない私には到底不可能だ。
「少し席を外すぞ」
「どこに行くんですか?」
レイミが銃を仕舞い聞いてきた。
「トイレだ」
すいませんと顔を赤くして謝るレイミ。
別に謝る必要はないんだが。
私は部屋を出てトイレを探す。
突き当たりの壁に手洗いのマークを見つけ行こうとすると店員に呼び止められた。
「あの~。三番隊隊長の宗谷様ですよね?」
店員は確認する様に 聞いてくる
「そうだが」
答えると店員について来て欲しいと言われ訳もわからずついて行くとそこには中年の男がいた。
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