焼き肉パーティー

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店員に連れられて部屋に入ると店員は去って行った。 さすがに隊長が生徒達の前で泣く訳にも行かんだろう。 私も部屋を出ようとすると山田が話し始めた。 「宗谷、花子はのうたまに休みが取れて会いに来た俺を笑顔で迎えるんじゃ」 山田は我慢できずにかそれともする気はないのかボロボロと泣き始めた。 「月島が言ったとおり俺は兄失格じゃ!?」 床を叩きつけ声を荒げて泣く。 「……私からは何も言えない」 山田にかける言葉が見つからず部屋を出る。 「うおおおお!!!」 部屋の外まで聞こえる声で山田は泣いていた。 戻る途中にルナとミルクにあった。 「純、どこへ行ってたのですか?」 二人は廊下に備え付けられている椅子に座ってソフトクリームを食べている。 「山田が向こうで泣いている。今までのミルクの生活を知ってな」 ミルクは肩を震わし私を見上げる。 泣いてる山田を想ってかここへ来るまでの生活を知られてか瞳には動揺の色が浮かぶ。 「私は部屋へ戻る」 二人と別れ部屋へと歩いて行く。 小さな足音が山田のいる部屋に向かって行くのが聴こえた。 「おかえりー」 部屋に戻ると私はアンジェラの向かいに座った。 アンジェラは何があったのかは聞かない。 ただ私の前にある皿に焼けた肉を盛っている。 「ところで純、レイミはどうだったのー?」 新しい箸を取り出し肉を口に運ぶ。 「予想通りの万能型だな。補助魔法にも長けている。当分組んでもらうつもりだ」 こんな場所で話す事ではないが生徒達が騒いでいるので誰にも聞かれないだろう。 「へえー、私としては組んでてやり易いタイプだねー」 アンジェラは回復系に長けている。 攻撃魔法も使えるが任務では後方からの援護が多い。 「雅樹と燐はまだ帰って来ないのー?」 「燐は先の任務で魔力を使い過ぎたから当分寝ると言っていた」 お茶を一口飲み口の中の肉の味を消す。 「雅樹は今の俺なら火炎竜とガチでやれるとか意味のわからん事を電話で話してたぞ」
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