焼き肉パーティー

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「それは困ったなー」 何が困るのか苦笑いをして店員にブドウ酒の追加をする。 「アンジェラさん!」 私の後ろに背筋を伸ばし行儀よく立っている晴斗。 「んー?」 肉を返す事に忙しいのか返事だけして見ようともしない。 「俺、アンジェラさんの期待に応えて任務も狗猿を3頭も倒しました!?」 あれだけ教室で騒いでたのだからアンジェラも知っている。 晴斗の技術と剣で狗猿を斬ったのは信じられなかったが、レイミが晴斗が寝てる間に切れ味を上げる魔法をかけたと聞いて納得した。 それに気づかない晴斗にはある意味感服する。 「それで今度、でで、デートして下さい!?」 「むりー」 間髪入れず拒否され完全に凍った。 生徒に連れられ部屋の端っこでうずくまる。 ……哀れなり。 「もっと優しく断れないのか?」 「期待持たせた方が可哀想だよー」 そうかも知れんが。 晴斗が喋らなくなり一気に場が冷めてしまった。 いや、晴斗が放つ暗い空気がとてもじゃないが楽しく話しを出来る雰囲気にさせていない。 「……」 「……」 ……重い。 「エミル=ガブリエフ、何か話せ」 「エエッ!?」 生徒達の視線を浴びこの状況を打破すべくエミルは立ち上がった。 「でででで、では、腹踊りをやりましょう!?」 「却下だ」 そんな事してみろ。 爺の剛拳が私の首を飛ばすだろう。 ……男子生徒は一瞬で体をエミルの方へ向け正座していた。 「じ、じゃあ、質問タイムです!隊長とかぐやさんて付き合ってるんですか!?」 場が更に凍りついた。 「そうだ」 『エエッ!?』 生徒達の声がハモった。 私とかぐやでは釣り合わないからだろう。 かぐやは黙ってるが顔を赤くしている。 「じゃあ、付き合いはじめたきっかけを教えて下さい」 それは…… なんだったかな。 「……まさかあなた忘れた訳じゃないでしょうね?」 ……忘れた なんて言えば私の頭は握り潰されてしまう。 「ここで話す事ではない」 我ながら上手くこの場をしのいだ。 「構わないわ。言って頂戴」 ……。 アンジェラは黙って治療の陣を完成させた。 即死でないなら治すからと言う事か。 ……部下に恵まれてるな、私は。
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