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「レイミの歓迎会をしましょう」
袋の中を見ると全て酒だ。
「ルナ、酒しか入ってないが?」
「たまには飲みたくなりませんか?」
何かあったのか…?そういえばミルクがいないな。
「ミルクはどうした?」
「今日だけ山田変態長に預けました」
預けたにしては何か不機嫌そうだが。
「では、新しい仲間に乾杯です」
今日二回目の乾杯は新しい仲間を祝して朝方まで続いた。
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「では、私は出かける」
普段なら学校へ行く時間だが今日は休み。
私は少し用事がある為家を出る。
ルナ達は飲み過ぎたのか3人とも唸りながら手を振り私を見送った。
次の日まで酒が残る程飲まなければいいのに……
アンジェラはともかくルナが飲み過ぎるのは珍しい。
この国はぶどう酒が名産だからか。
子供でも酒を飲んでもいいのだが考えものだな。
私は街の一角にある軍人専用寮の前で足を止める。
休日だからか寮からは家族と共に出かける人がたくさん出て来る。
私は物陰に隠れ人がいなくなるのを待つ。
別に何かする訳ではないが子供は私を見ると大抵泣き叫ぶ。
朝から子供の甲高い叫び声など聴きたくない。
人もいなくなり私は寮の中へ入る。
エレベーターを使うと誰かに会う可能性が高いため階段を使う。
四階、403号室ここが私の目的の部屋。
呼び鈴を鳴らすとドアが開き小さな人形の様な少女が顔を出す。
「あっ、宗谷隊長」
「山田はいるか?」
ここは山田が住む寮の一室。
ミルクは私を中へと案内してくれた。
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