焼き肉パーティー

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「何のようじゃ」 今から朝飯だったかテーブルには目玉焼きとウインナー、味噌汁が並べられている。 「タイミングが悪かったな」 「あの、宗谷隊長も食べますか?」 いや、いい。 と言うと泣きそうな顔をしたので頂く事にした。 「美味いな」 目玉焼きとウインナーなど誰が作っても同じだろうが味噌汁は違う。 昔の男達がプロポーズで君の味噌汁が毎日のみたいと言ったのがわかる。 「味噌汁ならおかわりありますよ」 「頼む」 その後二回おかわりし食事を終えた。 「どうじゃ。花子の味噌汁は美味かったろ?」 不味ければおかわりなどしないがミルクも感想を待ってる様子なので答えた。 「ああ、正直今まで飲んだ味噌汁の中で一番美味い」 「そうじゃろ」 「褒めすぎですよ」 山田は「うんうん」と頷き。 ミルクはニコニコ笑って後片付けを始めた。 「で?用はなんじゃ」 食後のお茶を飲みながら山田が言う。 「山田、私とかぐやの馴れ初めを教えてくれ」 山田は飲んでたお茶を勢いよく吐き出した。 「お、お前!冗談か!?」 私が冗談を言いにわざわざ貴重な休日を使い山田に会いに来る訳ない。 「冗談ではない」 山田はなんと言うか言い表せない顔で私を見る。 「まぁ、お前らしいな」 ポリポリと頭を掻き大きくため息をしてから山田は話し始めた。 「一年前の忘年会は覚えているか?」 「ああ、確かかぐやの家でやったな」 私達、隊長は一年の終わりに集まり忘年会をやるのが行事として義務づけられている。 その年はかぐやの家でやる事になった。 「始まって二時間くらい過ぎた頃か総大将が水瀬の舞をみたいと言い出して準備の為退室した」 それは覚えてる。 「水瀬が来るまで爺はゲームをしようと言ったのは覚えているか?」 「……」 「思い直せば俺達も止めるべきだったの~」 その辺りから記憶がないな。
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