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そう、今回の任務は隊長が同伴しているだけで私がリーダーとして彼女達を指揮する。
エミルちゃんはともかく涼子ちゃんがいるなら……いや、リーダーとして行くと知っていればもっとやり易い任務を選んだんだけど……。
「はは!安心しろレイミ、俺がついてれば百人力さ!」
腕立て伏せをしながらとても安心出来ない笑顔を向ける晴斗君。
……君がいるのが一番嫌なんだけど……。
「レイミちゃん、毒オウムてどんなモンスター?」
「ごめん、わからないの」
昨日帰ってから調べたけど、私が持ってる図鑑には載っていなかった。
エミルちゃんは涼子ちゃんにも聞いてるが知らないみたい。
晴斗君は絶対知らないよね。
……隊長も……
「レイミ、私は知ってるぞ?」
「え゛っ!?」
「……その反応はなんだ?」
いや、だって今までがアレだったから……。
「すいません」
「まあいい、私も教える気はないしな」
本当に知ってるのかな?
「隊長~、そんな事言って、ホントは知らないんじゃないですギャッ!」
奇声を上げ横に飛ぶエミルちゃん。
「一つだけ教えよう」
「お、お願いします」
隊長を真っ直ぐみつめ次の言葉を待つ。
「冷静になれ」
「へ?」
どう言う意味ですか?
「あの意味がわからないのですが」
「遭えばわかる」
隊長はそれ以上話す気はないらしい。
目的地に着くまでの間、私はどんなモンスターか考えていた。
「すいません、ジュースのおかわりを」
涼子ちゃんは読書をしていた。
「ふん!ふん!」
晴斗君は腕立て伏せをしていた。
そして、エミルちゃんは奇声を上げていた。
「ピギャ!」
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