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そんな火亜の後ろ姿をチラッと見た凛李はスマートフォンをいじりながら、素っ気なさを装いつつ
「この後剣都と出かけるんだから、こんなくだらない事に付き合ってる暇なんてないんだけど」
教室に今いる凛李以外の2人には破壊力抜群の爆弾を落とす。
「そ、それは一体どういう事ですか?」
案の定というべきか黒板の方を向いていた火亜がすぐさま振り返り凛李に詰め寄る。
「オレ達、夏休みに海に行く約束してるし。水着選びを手伝ってもらおうと思ってさ」
「ふん。くだらないですね。ウチ達も同行するのに」
1人座席に座ったままの氷麗が凛李を嘲笑う。
「ふん。でも水着選びはオレと剣都の二人きりだ。ざまぁみろ」
「先輩、氷麗。今はそれよりも私の話が先」
口喧嘩を始めた凛李と氷麗を宥めながら、火亜が黒板に書かれた剣都の名前を消して新たに三角形を書き出す。
それぞれの頂点に少女の名前を書き込み、重心に剣都の名前を書く。
「これが今の状況です」
頂点から重心に線を引き、恥ずかしそうに線の上にハートマークを記してから火亜は2人の方に振りかえる。
黒板を見た2人も恥ずかしそうに顔を赤らめ、火亜に対して否定せず黙り込む。
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