プロローグ

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「……………それは、ようこざんした…………」 私は、力なく言い放つ 姐さんもまた、この赤潮の屋敷から遠ざかる人間になる そう思うと、悲しくて、悲しくて 素直に喜べない自分がいた 「…………なんや、あんま嬉しくなさそうやなぁ 寂しいか? 居なくなるんが…………」 姐さんは、私の頭を撫でながら、問う 寂しいよ、姐さん 「……………そないなことありません 幸せに、なりんし…………姐さん」 私は、顔を埋めながら言い放つ ほんま、幸せになってくんし…………… ただ、そう願うだけ…………… そう、願うだけなのに………………………………
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